赤坂浄苑を支える様々なスペシャリストを紹介していくこのコーナー。
今回はご供養落語会でご供養落語を演じていただいている春風亭柏枝師匠にご登場いただきました。
ここで眠る方たちに笑い声で安心をお届けしたい。
プロフィール
1974年生まれ 北海道札幌市出身。
2001年3月 7代目春風亭柳橋に入門し、春風亭べん橋を名乗る。
2004年 柳橋没後兄弟子の春風亭柏枝(現在の8代目春風亭柳橋)門下へ移籍。
2005年6月 二ツ目昇進。
2014年5月 8代目 春風亭柏枝を襲名し真打昇進。
ー 赤坂浄苑で開催されているご供養落語会は毎回、多くの方にご来場いただいていますが実際に演じてどのように感じていらっしゃいますか。
御本尊様にお尻をむけて、しかも高いところに座らせていただき、いつも恐縮しております。(笑)毎回、やらせていただいて感じるのは気持ち良く落語が演じられるということです。笑ってほしいところではどっと笑いが起こり、しんみりとするところでは、そのような表情になっている。反応がとてもいいですね。
もちろん噺家ですから、どの寄席でも全力で臨みますが、特にここに来るときは「よし、頑張ろう」という想いで高座に上がります。
またこの本堂で喋る事を快く許して下さるご住職様や副住職様、また赤坂浄苑の関係者様や設営スタッフの皆様にはいつも感謝しております。
ー 師匠が落語の世界に入られたきっかけは何でしょうか。
学校を出て定職につかず、フリーターをしていた時代がありました。そんなある日、たまたま浅草の演芸場に入ったのです。平日の夜ですからそれほど人は入っていませんでした。それでも前座からベテランの噺家まで一生懸命に演じている、その姿に感動しました。中でも私の師匠の春風亭柳橋には一目ぽれ、その場で噺家になることを決心して士下座して入門させていただきました。両親にそのことを報告すると大喜びでした。昔なら親不孝者!と怒鳴られるところかも知れませんが、何しろそれまで定職に就いていなかったわけですから安心したようです(笑)。
ー 落語を演じる上で心掛けているのはどんなことでしょうか。
「芸は人なり」という言葉がありますが、まさにその通りだと思っています。同じ噺でもそれを演じる噺家によって伝わり方は当然変わってきます。ですから素直な自分であるようにしています。
また苦手な噺からも逃げないようにしています。噺家も人間ですから噺も得意、不得意があります。しかし、それを避けず、逆に得意になるように精進を心掛けていますね。なかなか難しいことですが…。あとは個人的な体験で申し訳ありませんが、地方などに仕事でお伺いし、たとえスキー場が近くにあったとしても演じる前には行かないようにしています。
ー それはまたどうしてでしょうか。
やはり「滑る」からです。(笑)たまたまかも知れませんが、とある温泉街で公演したときに昼間、さんざんスキーをした後の高座が大失敗しました。まさに昼も夜も滑り放しだったわけです。(笑)意外にそういったことは気にしますね。
ー 赤坂浄苑は墓苑ですので師匠のお墓参りの思い出を教えてください。
私は北海道で育ったのですが子どもの頃、家族でよくお墓参りに行きました。当時はそのエリアに高速道路がなく、たしか車で3時間から4時間はかかったと思います。小さい子どもが車の中で長い時間じっとしているわけですから少し辛かったですね。ただ我が家の場合、父は長男ではありませんでしたが祖父や祖母の写真を飾るなどご先祖様をとても大事にし、私も学校にいくときは必ず頭を下げるようにしていました。幼いときからそういった習慣があったからだと思いますが、今でもお墓参りは欠かさないですね。13年前に私の師匠の春風亭柳橋が亡くなったのですが月に1回から2回はお参りに行っています。
ー ご供養落語会などで赤坂浄苑には何度か来られていますが、どのような印象を持っていますでしょうか。
まず大変に交通アクセスがいいので羨ましいと思っています。ここなら私の子どものときのように車で何時間、ということもないので気持ちよくお参りに来ることができますね。また中がとても美しく荘厳な雰囲気があることも素晴らしいと思っています。お墓も掃除する必要もありませんから有難いのではないでしょうか。私の師匠はきれい好きだったものですからお墓参りに行く度に隅々まで雑巾掛けをしています。でもやはり仕事で忙しく行けない時もあり間が空いちゃう時もあります。自分一人だけじゃどうしても出来ないことってありますよね。
もう一つ、赤坂浄苑で気に入っているところは、新宿や上野、池袋の演芸場への交通の便もいいところです。国立演芸場もすぐ近くです。機会があればお参りの帰りに寄っていただきたいですね。
ー 最後に赤坂浄苑をお考えの皆様にメッセージをお願いします。
赤坂浄苑のスタッフとかけて蝋燭と解く。その心は身を削って世の中明るくしています。(笑)そんなスタッフも素晴らしい赤坂浄苑です。きっと心温まる対応をしてくれるはずです。
そろそろ、お後がよろしいようで。