今年で第5回目を迎えました契約者同士の親睦を兼ねての旅行会でございますが、本年は10月23日24日の2日間、天平文化花咲く古都「奈良」へ行ってまいりました。
奈良時代は仏教が国の統治・鎮護の中心に取り入れられ神仏習合(神と仏が混ざり合うこと)が盛んになった時代でございます。
まず一日目の最初に訪れたのは「春日大社」こちらは「鹿島大明神」の「タケミカヅチノミコト」と「香取大明神」の「フツヌシノミコト」の2大「武神」、さらには奈良時代以降朝廷の中心となり1200年に渡り繁栄してまいります「藤原家」(祖は藤原鎌足)の祖神「アメノコヤネノミコト」とその妻「ヒメガミ」の4神が主宰神としてまつられており、全国に1000社ほどある「春日神社」の総本社でございます。
「タケミカヅチ」が茨城県「鹿島」の地から当地に来られた際に「白い鹿」乗ってこられたとの伝説から、奈良の鹿は神の使いとして現代にいたるまで大切にされております。
春日大社を後にし次に向かいましたのは修学旅行の定番中の定番「奈良の大仏」で有名な「東大寺」へ。45代「聖武天皇」が建立したお寺でございますが、仏教による国の平安を切実に願う「奈良の大仏」(正式には廬舎那大仏)は時代背景を知ってから赴くと、無知な学生時分にはなかった感動がございました。
次に向かったのは「藤原家」の氏寺であり春日大社とも深いかかわりを持つ「興福寺」。広大な奈良公園は元々この興福寺の境内地であったそうです。時間の関係で「国宝館」のみの参拝となってしまいましたが大変有名な国宝「阿修羅像」を拝観することができました。
宿は奈良公園にほど近い「奈良ホテル」へ。こちらは皇室関係者や各国著名人が宿泊したことのある大変歴史のあるホテルで、豪華な懐石に皆様お酒が進んでおりました。
また創業110周年の特別企画としてホテルと同年創業である「牛乳石鹸」鹿バージョンをホテルよりプレゼントいただきました。
2日目は今回の旅行の目玉でもある「薬師寺」へ。当苑に協力いただいている「はせがわ」のご紹介により薬師寺の役僧である「松久保伽秀」(まつくぼかしゅう)老師に法話をいただきながらの拝観となりました。
国宝である「東塔」は現在修理のため足場がかけられておりましたが、「金堂」の「薬師如来」の前で皆様方の幸福を祈願したお読経をいただいたり、各御堂でのありがたい法話、またお抹茶の施しをいただき大変充実した内容となりました。
金堂の上部には「しめ縄」があり、「神」の土地に後から入った「仏」は神を敬い必ず仏の上に神を安置した、だから両方を呼ぶときは「神仏」といい「仏伸」とは言わないんですよというお言葉に仏教の奥ゆかしさを感じました。
続いては個人的に一番興味があった「唐招提寺」へ。こちらは教科書にも必ずでる「鑑真」が建立したお寺で写真は撮影できませんでしたが、光背に千の化身を持つ「廬舎那仏」や実際に「千の手」を持つ「千手観音」を拝観し、中国から渡り「戒律」をお広めになった「鑑真和上」の高い志に思いをはせすがすがしい気持ちで参拝させていただきました。
2日目に雨が降ったり、時間の都合で予定の拝観を一つキャンセルしたりなどございましたが、おおむね皆様にはご満足いただけたかなと思っております。
今後も「お寺主催」ならではの他では味わえない旅を企画してまいりますのでご興味がございましたら是非参加くださいますようお願いいたします。
伝燈院 赤坂浄苑 館長 角田賢隆 拝