新型コロナウィルス感染拡大により4月7日に緊急事態宣言が発令され、ある程度感染者が減少し5月25日に全面解除となりました。しかしながら7月に入り感染者数が徐々に増加傾向にありありまだまだ予断を許さない状況が続いております。
感染防止の対策として「3密」の徹底が推奨されておりますが、その中の「密閉」(換気の悪い密閉空間)について赤坂浄苑の設備をご説明いたします。
窓を開けて中の空気と外の空気を入れ替えるのが常識考えられる換気でございますが、平成15年7月にシックハウス対策としての建築基準法改正で「24時間換気」が義務化されました。それ以降は吸気と排気を機械で強制的に行い部屋の空気を入れ替える機械式の換気設備が必須となっております。(節電で24時間換気をOFFにするのは間違った運用)
ですから平成15年7月以降に建築された建物で正しい運用がされていれば「換気の悪い密閉空間」には当てはまらないと言えます。(エアコンは中の空気を回すだけですので換気にはなりません)
「厚生労働省」が専門家検討会の見解をもとに推奨するコロナ禍における換気の方法は「1人当たり毎時30㎥」の換気量の確保と「毎時2回以上の換気回数」(部屋の空気がすべて入れ替わる回数)でございます。厚生労働省HP(PDF)
赤坂浄苑の換気能力を表にまとめると下記となります
上記の表は扉を完全に締め切った際の換気能力でございます。法要においても参拝においても声を出してワイワイする環境ではございませんので他の施設と比べますとリスクも低いと思いますが、少しでも安心して来苑いただくために下記のように対策しております。
1階エントランスは15名までの利用人数で換気量を確保できますが、吹き抜けがある分容積が多いため換気回数が満たせません。通常大人数が集まる場所ではございませんが、待合などで人数が多い場合には入り口の自動ドアを開放しサーキュレーターを回して対応しております。
1階寺務室は必要十分な換気量と換気回数を満たしており、マスク着用や検温の告知を義務付け職員同士の感染予防を徹底しております。
2階3階の参拝室については13名までの利用でどちらの数値も満たしております。また、奥の納骨庫では毎時1140㎥の大型換気システムが稼働しておりますので、参拝時に扉が開いた際はさらに換気能力が高まります。
3階の副本堂につきましては11名までの利用で換気量を満たし、換気回数は最も多くなります。容積に対し大型の換気システムが設置されており、狭い空間で不安だとの声もございましたが館内で一番高い換気能力となっております。しかしながら人と人との距離を保とうといたしますと8名までの利用でお願いしております。
4階客殿については20名までの利用でどちらの数値も満たしております。更に利用人数が増えた場合には1階同様窓を開けてサーキュレーターを回し対応いたします。
5階本堂においては12名までの利用で換気量を確保できますが、広い分換気回数が若干足りおりません。この部分は法要後次の法要までの間窓開けによる換気を行い毎時2.8回の換気回数を確保しております。こちらも密接にならないために20名前後の利用でお願いいたします。
その他各階におけるサーキュレーターの設置、職員による参拝口など各箇所の定期的なアルコール消毒を行い感染予防に努めております。
皆さま方におかれましては多くの方が安心してお参りいただけるよう下記のご配慮をお願いいたします。
1,来苑時のマスク着用と設置されたアルコールによる手の消毒
2,大人数でのご参拝をご遠慮いただく(3名程度でお願いします)
3,推奨人数での法要計画
様々な対策をとっておりますが、さらに換気基準が厳しい病院などで院内感染が起きていることを考えますと換気についてはリスクの一つに過ぎないのかもしれません。はっきりと大丈夫です、ご安心くださいと言えないのが現状でございます。しかしながら管理者として換気設備の状況と推奨利用人数をしっかり理解し、業者による清掃やメンテナンスも欠かさず行っておりますので、利用される皆さまにおかれましても現状についてご理解いただきご協力くださいますようお願い申し上げます。
伝燈院 赤坂浄苑
館長 角田賢隆 拝